結婚して家族になったのに、私は一人の戦士のようだった。
なぜなら、親・きょうだいよりも深く向き合う必要性のある夫婦がゆえ、誰も入ってこなかった夫のテリトリーに当たり前のように入り込んでくる、気持ちもぶつけてくる唯一の存在に。
すぐに私はおもしろくない存在…、夫の心のどこかで攻撃の対象とされてしまった。
日常会話は絶対共感しないし、必ず独自のウンチクを入れてくる。
思うようにならない時は「だから君の言うとおりにするとろくなことにならないんだ」と人のせいにする。
いつか夫と気持ちが繋がれば…と期待し、裏切られ、傷つく、の繰り返し。
次第に私も自分を守るようになり、感情を込めないドライな対応へと変わっていった。
物理的に辛かったことは、夫が仕事を続けられなくなったこと。
再就職しても、体力的にムリだと辞めてしまう。
子どもが生まれれば変わるかと思ったけど、変わらなかった。
いろいろあった結果、私が働くことに。
それでも世間体や引け目を感じず、私に文句を言い続けながら生きていけるのが、夫独自の性格だった。
結局、夫は精神的にも体力的にも気の向くまま、私だけがきつさを背負ってきたような日々だった。