この上ない離婚を提示した日、私が仕事から帰ると夫は寝っころんで『あきらさんはアスペルガー』を読んでいた。

出勤前の私が「やっぱり無理なんだよ」とため息を付きながらリビングのテーブルに出した漫画エッセイだ。
特に焦った風ではなく、いつも読んでいるような宇宙関連や環境汚染関連の本を読んでいるのと同じ感じでアスペルガー本を読んでいた。
私の一大決心などは問題ではなく、このままの夫婦でいるか離婚をすべきかの参考資料として、淡々と読んでいるのだ。
夜中はこの1カ月間はまっているスリザリオというミミズみたいなのがエサを食べながら大きくなるゲームをしている。
改心なんて言葉はない。

都合によってアスペルガーを盾にし、都合によってアスペルガーなんて知らんぷり。

私は彼の母じゃない。

そんな50過ぎのおっさんはいらん。

私は子どもと幸せになるために歩いていきたい。